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  • 実行委員

くじらシティ 稽古場取材

「取材よろしくお願いします。当日はAM8時~11時で稽古しています。」

取材日が近づいたある日、くじらシティさんからこのようなLINEが届いた。


AM...8時.....。午前稽古とは聞いていたがなんとなく9時からだと思っていた。全人類に理解頂けると思うが朝の一時間は果てしない時間差がある。ましてや世間は盆明けド平日の通勤ラッシュ。こちとら夏休み真っ盛りの平和ボケした大学生だ。とてつもない緊張感が走る。前日夜、5分毎にアラームを仕掛け、祈るような気持ちで床に就く。ほぼ無意識ながらもアラームに起こされ寝ぼけ眼で駅へと向かう。駅に入ればサラリーマンの濁流に流されるまま輸送され、気づけば若干の遅刻のみで最寄り駅に到着(ごめんなさい)。

そうしてたどり着いた稽古場にていざ取材をさせてもらうのであった。


  ダブル・トリプルキャスト

本作は3人芝居を回によってキャストが代わるダブル・トリプルキャスト制で上演していくとのこと(配役などは団体Twitterより公表されている)。取材当日は前回公演が2日前に終わったばかり。先行して稽古をしているチームが、今日が初参加となるキャストに流れなどを伝えているところだった。

くじらシティでは生活と両立をしながらの演劇活動をしていくことを掲げている。メンバーのバイト・就活・院試、あるいは他団体での活動を阻害することなく、なんとか時間を調整しながら公演を成立させてきた。その結果が今回のダブル・トリプルキャストであったり、AM8時からの稽古なのだろう。

取材班はこの短い見学時間の中で同じシーンを違うキャストで観ることが出来た。



役の大きな流れを共有しつつも、キャストの個性を生かしながら変化を加えていく。これは一度観たら、別の回も観たくなってしまうやつではないだろうか...?



  くじらシティ初の社会派劇

普段は等身大の現代劇をメインに上演しているくじらシティが今回初の社会派劇に挑戦するとのことだ。

昭和期、ある地方の炭鉱の街が舞台。主人公は地元を離れ炭鉱の街へ働きに出る。

そんな主人公を中心に会話がベースにありながらもモノローグを多用し描かれている。

抽象的な舞台構成の中で過剰な説明を排し、一瞬ファンタジー世界のようにも感じるがすぐにそれが史実をベースにした、過去の日本の物語であることがわかる。





しかも単なる「社会派」に留まることをさせない。抒情的な言葉で彩られたモノローグが見事に想像を膨らませてくれる。








稽古後半は私たち取材陣に対する解説も含めながら演出の坂井さんが当時の暮らしの様子や物事の考え方などを役者陣と共有する座談会の時間となった。歴史を生きた人々に敬意を持ちながら今を生きる自分たちの表現を模索していく。

その結果を是非とも東京学生演劇祭の会場で目撃して欲しい。


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東京学生演劇祭 Aブロック 参加作品


くじらシティ『端 ーEdgeー』


2019年

9月5日(木)19:00開演

9月6日(金)15:00開演

9月7日(土)11:00開演

9月8日(日)19:00開演


@花まる学習会王子小劇場


*くじらシティ扱い予約フォーム

https://www.quartet-online.net/ticket/tstf2019?m=0mggdgf

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