top of page
実行委員

KRUMPETS 稽古場取材

更新日:2019年8月28日

  呼吸が揃うと、空間も揃う。

 8月の初頭。全9団体のうち最も早い時期に脚本を完成させ、すでに通し稽古も済ませたというKRUMPETSの稽古場取材に向かいました。彼らがまず稽古のはじめにやったのは、「歩く」練習。

「Waliking in the rhythm…」

という歌詞が印象的なBGMに合わせて、稽古場の端から端へと、時には縦横無尽に、スローモーションのようなテンポでゆっくりと歩きだしていく役者たち。声を掛け合うわけでもなく、タイミングを探るそぶりも見せずに、ただ自分の歩みだけに集中している彼らですが、次第に彼らの「歩く」姿が見事にシンクロしていきます。



相手の動きに合わせるのではなく、音を感じて、リズムに呼吸を合わせ、自分の動きに集中していく――そうすることで、不思議と、相手とのタイミングも空気感も、そして空間全てが、揃っていくのです。





  微細な「空気」の揺れを読み取って

「歩く」練習の次に行ったのは「ザ・マインド」という簡単なカードゲームでした。これは山札から数枚の数字が書かれたカードを何枚か参加者が引き、それを自分の持ち札として小さな番号から順に山札に出していくというゲームですが、このゲームの重要な点は、プレイヤーがお互いに声を出さないことにあります。


プレイヤーはお互いの視線や表情だけを頼りに、誰が一番小さな数字のカードを持っているか探り合うのです。実行委員も途中から混ぜてもらい一緒にプレイしましたが、これが中々に難しく……すぐにゲームオーバーになってしまったのでした。


 


「歩く」練習で身体を暖めたあとはカードゲームで頭の体操、と、全く違うことをやっているようでありながら、参加者同士で互いの空気感を読み合いながら揃えていくのは同じ。盛り上がりながらも難なくプレイを成功させていた様子からは、役者と演出との結束の強さが感じられました。



 和やかな空気の流れるなかに、微妙な空気感のシンクロや空間の使い方、細かで繊細な身体性を追求していく熱意が垣間見られる稽古場。役者一人一人、そして演出・小西さんの演劇する身体への真摯な向き合い方は、当演劇祭参加作品『しっかり楽しむ人々について』にも、存分に顕れています。


ー・*・ー・*・ー・*・ー


東京学生演劇祭 Bブロック 参加作品

KRUMPETS 『しっかり楽しむ人々について』


2019年

9月6日(金) 11:00開演

9月7日(土) 19:00開演

9月8日(日) 15:00開演

9月9日(月) 11:00開演

※開場は各回の30分前です。


@花まる学習会王子小劇場


*KRUMPETS扱い予約フォーム



コメント


bottom of page