ごじゃりまる。『こうふく♡みたらしだんご』講評

堀川炎

アニメ的テイストで、ポップな不条理劇のようだった。勢いがありセリフも聞きやすく見やすい。演出的にはよく練られており、見ていて爽快感を伴う。また衣装も誰が誰だか一目でわかりやすい。演技はまとまっており、踊りも勢いがあり引き込まれた。照明もパネルにうつる影は素舞台の中で効果的だった。

ただテレビシリーズというメタ枠が本当に必要だったのか、毎回最終回という状況が使いたい場合であっても、ほかのアプローチがあったのではないかと感じた。脚本では窓際族がなぜ体を壊してまで社長に心酔するのか、簡単に株価が大崩落するなど、多少物語に都合がよいと感じるエピソードもあり、抜き差しならない関係性や状況を考察してほしい。最後のすべてがうまくいかない状況がどこへ向かうのか、作品の意図がわかりづらかった。劇団のユニークさがほしい。

池亀三太

アニメチックな台詞と動き、軽快なテンポで進む物語に序盤からぐんぐん引っ張られた。脚本の強引さやご都合主義な部分も気にならなかったわけではないがその力技的な物語進行も作品全体の軽妙さとマッチしていたと思う。

様式美的な演出が視覚的にも聴覚的にも細部まで行き届いていた。特に空間の切り分け方が小気味よく明確で観やすい。その演出に応える俳優、衣装、振付、音響、照明と総合的に完成度が最も高かった。

ただ、俳優の行動に余白がなさすぎて窮屈そうにも感じた。

 

正義だったはずのものが行き過ぎて悪に転換する姿など今のSNSなどで起こっている事象をうまく風刺していた。

ラストのブレーキの掛けた方はうまいが、それだけ終わらない物語のほうがこの作品の入れ子構造的にはいいのではと思った。

 

様々な影響やリスペクトが伝わるが、今後はいかにオリジナリティを手にしていけるかが課題だと思う。